国内FX業者のレバレッジ規制がついに法人口座にまで広がり、海外FXの利用を検討している人もいると思います。
そこで、日本法人による口座開設について日本人に人気の海外FX業者に問い合わせてみました。
ただしここで紹介するのは、
- 日本語サポートがいる
- 入出金に便利な方法がある
- 日本人に知名度がある
という業者だけに絞っています。
法人口座に必要な書類
基本的な書類は、
- 法人関連書類(全部出すつもりで)
- 代表者、株主、受益者全員の身分証明書と住所証明
- その他業者が要求する書類(取締役決議書など)
こんな感じです。日本語サポートがいれば日本語のままでOKです。決議書などは英語で提出することが多いのですが、業者がフォームを用意してくれてたりするので、名前などを英語で入力するだけです。わからなければサポートに細かく聞けば問題ありません。
提出書類は日本の業者とさほど違いはないでしょう。郵送が必要なところもあまり存在しません。
どの業者を使うべきかの判断基準
入出金に海外送金を利用しなくてもOKか、書類は日本語のままOKか、用意するのに手間がかかりすぎないか、という点だけです。あとは違いがあっても些細な違いだけで、レバレッジなどは日本と違って個人と法人で違うことはありませんし、入出金も名義さえ一致させれば基本的なルールは個人と同じです。ただ、法人のほうが融通が利かないので注意したほうがいいというだけです。
それでは各FX業者の特徴を見ていきましょう。
XMの法人口座
いきなりですがXM(https://www.xmtrading.com/jp/)は日本法人名義で口座開設ができません。IB契約もダメです。
使うなら個人名義で開設しましょう。
大手の安心感があるFxProの法人口座
FxProはおそらく、もっとも必要書類が厳しい業者だと思います。書類が用意できずに(面倒)諦める人は少なくないでしょう(私でーす)。
定款などはそのまま出せますし、委任状や事業内容の申告フォーム、その他の書類への記入はサポートに聞けば不可能ではありません。慣れないと時間はかかりますがまだ許容範囲です。
他の業者と比べてハードルが高いのは、すべての書類にコピー認証が必要な点と取締役全員のバンクレファレンスレターが必要なことです。
コピー認証が求められることは稀にありますが、バンクレファレンスレターが求められるのはおそらく私が利用したことがあるFX業者ではFxProだけです。
コピー認証(Certified true copy of original)とは
まずコピー認証とは、原本ではない書類(コピーやスキャンしたものなど)が公的機関により本物であることが証明されたものです。公的機関といっても、行政書士でOKです。弁護士などは高いですし、そもそも数万円の仕事を受けない可能性が高いので。
これはネットで認証をしてくれる人を探してください。英語に強い人や経験がある人じゃないと厳しいです。お値段はピンキリですが、2〜3万円くらいは必要でしょう。
GoogleでCertified true copy of originalの画像検索してみるとサンプルを見ることができます。基本的な要件は、全てのページに認証者の署名と日付と「Certified true copy of original」またはそれと同じ意味の文言を入れることです。
バンクレファレンスレターとは
日本語では銀行紹介状と言われますが、そもそも銀行紹介状というのが日本にはないです。
この書類は、「この方は信頼できる人ですよ」と銀行が書いてくれる書類です。別に利益にあまり貢献してなくても問題ないですw
何が問題かというと、日本の銀行員が世界で当たり前のレファレンスレターの存在すら知らないことです。お近くの支店に行って聞いてみてください。98%、なんですかそれって聞かれますw
世界的には当たり前のものなので、この書類を手に入れるのに苦労し、いかに日本がグローバル化していないかを悔やみますw
まずは銀行に相談してみてください。「これこれこういう風に書いて署名してくれ」と細かく指示をしたりテンプレートを渡せばやってくれるかもしれません。もちろん英語で書いてもらいます。
私は過去に新生銀行とUFJで成功した経験があります(もうやりたくない)。これでさらに複数の取締役がいれば相当しんどいでしょう。
ゲットしやすい銀行に口座を開設する、という方法はちょっとリスクがあります。レファレンスレターは「○○年○○月からこれまで、当行と良い関係を築いています。」という内容なので保有期間が短いと受け付けてくれるのかわかりません。事前に確認しましょう。
口座開設さえしてしまえば、個人口座との利便性に差はないので頑張ってみましょう。FxProは大手で信頼できる業者なので、信頼を重視する人にはオススメです。
人気上昇中Axioryの法人口座
公式サイトで法人口座開設に必要な書類と手順が詳しく書かれています。
https://www.axiory.com/jp/service/corporate.html
法人書類は日本語でOKですが、取締役決定書だけは英語で出さないとダメです。でも雛形が用意されていますし、どこに名前や会社名を書けばいいか日本語サポートに聞けばいいので難しくはありません。
個人的オススメTradeviewの法人口座
私が知る限りもっともスプレッドが狭いTradeviewも、書類は日本語のままでOKですし、Bitwalletとビットコイン入出金にも対応しています。

サイトの雰囲気からわかるように、こちらは玄人向けです。あえて小口の人を切り捨てる方針なので絡みづらい雰囲気(特に日本語ページ)は出ていますが、法人でやるくらいFXをガッツリやる人にはオススメです。
https://www.tradeviewforex.com/jp/
TitanFXの法人口座
TitanFXも他とあまり違いはありません。下記ページから必要な書類などを確認することができます。
https://titanfx.com/ja/open-company-forex-account/
入出金方法と日本語サポートは文句なしです。
すでに個人口座がある場合
個人と法人は別人格なので、たとえワンマン法人でも個人口座と併用できます。登録メールアドレスを2つ用意しないとダメってくらいです。
あと、個人口座の名義を法人に変えることも可能なので、サポートに相談してみましょう。
海外FXは税率が…レバレッジが…ECN業者がいい…という方は法人化を検討してみてはどうでしょう?
法人口座の重要点は入出金
海外FX業者の法人口座であっても、個人口座とほとんど違いはありません。日本語サポートがいれば法人書類を翻訳する必要もないことが多いです。
注意する点は入出金なのですが、海外FX特有のマネロン対策による入出金ルールがあるからです。そうです、同一名義人でないといけないというルールです。例えば代表者の個人銀行口座から海外FXの法人口座へ送金することはできません。逆の、法人取引口座から個人口座への送金もできません。
個人と法人で入出金方法に差があることはないのですが、電子マネーサービスによっては法人名義でアカウントを作れない(個人と法人でサービス内容が異なる)ことがあるので、事前にどういう入出金方法を使いたいのか、本当に使えるのかを確認しておくべきです。最悪、銀行送金でも出金は可能なのですが…
個人名義と違って法人名義は融通が利きにくいので、資金を引き出せなくならないように最初から対策しておかないといけません。仮に個人なら、国内の銀行がすべてダメになっても海外の銀行口座を使ったり、住所を海外に移せばなんとかなりますが法人はそうはいきません。
そして、銀行送金はハッキリ言って怖いです。
海外送金が使えなくなる可能性を考慮する
金融庁の無登録業者への警告リストに載ると、銀行送金がブロックされる可能性があります。例えばここに載っている業者(日本人が知ってる業者はほとんど載ってます)が顧客の出金依頼に応じる時に、中継銀行や送金先銀行が「日本金融庁のブラックリストに載っているから」という理由で拒否をする可能性があるということです。
将来、これが緩まる可能性はないので銀行送金を使わずに海外FX業者を利用しておいたほうがいいです。
今大丈夫でも将来どうなるかわかりませんから。
いつも記事を熟読しております。
この記事とは関係ありませんが、そろそろこのサイトで記事にしてほしいと
思い書き込みします。
それはMT4上でビットコイン/米ドルの取扱いがあるブローカーを特集してほしいです。
こちらでデモ口座ではfxopenとtradeviewでチャートが表示できることを
確認しているのですが、
・実際トレードができるのか?
・レバレッジ・証拠金がどの程度なのか?
・通常スプレッドがどのくらい開いているのか?
などを管理人様のお力でなんとかしてほしいなと。
今年はドル円をはじめ、為替取引でのボラティリティが低かったので、
来年はMT4上でのチャート分析をもとにビットコインなどの仮想通貨の信用取引を
始めてみようかと思い書き込みです。
時間があったらよろしくお願いします。
実は、MT4で仮想通貨CFDがトレードできる業者のまとめは以前から考えていたのですが、
・いつの間にか最低1つでも仮想通貨CFDがある業者のほうが多い
・レバレッジや証拠金などの変更が頻繁にある
・現在進行形でいくつかの業者が仮想通貨CFDを取り下げてる(XMなど)
・とにかく状況の変化が早すぎて最新情報に保つのが困難
と、非常に手を出しにくい状況が続いていますw
私はFXと仮想通貨のトレードは親戚みたいなものだと思っていますし、おっしゃる通りFXのボラが低い時などに仮想通貨も見ていればトレードの機会が増えますからね。
これからも主に、FXユーザー向けに仮想通貨の情報を提供していきたいと思っています。
ただ本当に、FXは成熟してて大きなニュースの頻度が少なく、さらに最近は海外FX業者も安定したきた(業者の選定において対象業者の入れ替わりが少なくなってきた)と感じていますが、仮想通貨界は毎日がお祭り状態のような感じなので大変です。
言い訳はともかく、頑張っていきたいと思います!
ご回答ありがとうございました。
管理人様でも把握が難しいくらいビットコインのCFDでは
取引条件の変更が続いている状況ということですね。
とりあえずビットコイン/米ドルの信用取引を始めるのであれば、
仮想通貨専門の取引所(ブローカー)を
国内・海外に関わらずあたってみるつもりです。
個人的にはBitMEXなどの特徴のある仮想通貨ブローカーを
管理人さんの視点で紹介していただけるとおもしろそうかと思った次第です。
(要望ばかりでスミマセン。)
今後とも応援しております。
普通は国内の取引所で信用取引したほうがいいと思いますね。
私のほうではまず、仮想通貨CFDを提供している海外FX業者の情報をまとめてみようかと思います。
BitMEXはですね…まだ追いつけていませんw
お疲れ様です。いつも有益な情報大変ありがたく拝見させてもらってます。
為替歴は浅いですがそこそこ利益を出せるようになってきてるところにいる者です。
海外業者しか使ってない為、税金の部分でどうにか節税(法に乗ったやり方で)ができないかと
いろいろ調べたところ法人化すれば
節税できる話を聞いたんですが未だにピンと来なくてこうやって質問させて頂きます。
海外業者で個人と法人の違いやメリット、デメリットなどを詳しく知りたいのですが、
自分が一番知りたいのはレバレッジは下がったりしないのか、個人でやった時と同じく法人でも出金はいつ
でもいくらでも自由にできるのかが知りたいのです。
返答頂けると幸いです。
よろしくお願いいたします。
法人化で節税できるわけは、個人と違って税率が所得の種類によって変わらない点だと思います。個人だと累進課税や総合課税になりますが。
節税できるかどうかは本当にケースバイケースなので、税理士に相談されるほうが確実です。
売上はもちろん、事業内容や経費などによって個人の総合課税とどれくらい差がでるのかプロにハッキリさせてもらったほうがいいです。
海外FX業者においては、個人と法人で扱いが変わることはほぼないです。
法人だからレバレッジが下がるということはないですが、入金額によってはレバレッジが100や200に下がることはあります。これは個人と法人共通です。
出金もいつでもいくらでもできます。これも共通です。
差が出る可能性があるのは、電子マネー業者などを通して入出金する場合です。
これは上にも書かせてもらいましたが、その電子マネー業者が法人名義での登録を受け付けなければ実質、個人では使えて法人では使えないとなります。
去年まで大人気だったネッテラーはこのパターンで、法人名義での登録はマーチャント(売上を受け取るのが主目的)が前提だったので、実質海外FX業者への入金に使うことはできませんでした。
もちろん、こんなややこしいことを考えず銀行送金を使えば問題ないですよ。
法人のデメリットって難しいんですが、しいて挙げるなら、個人は国籍や住居を変えようと思ったら変えられるって点でしょうか。法人はそれができないので個人に比べたら融通はききにくいかなと思いますが、これはかなり極端な話ですし…
一度法人口座の開設を試してみてはどうでしょう?少し試すのもためらう理由があれば別ですが、やってみないとわからないこともありますからね。