海外FX業者のMT4口座を利用している多くの方は複数の取引口座を開設しています。人によって理由は異なりますが、1000通貨未満の取引が可能な口座や手数料制のECN口座など、複数の口座タイプが提供されていることが理由だったりします。その他にも、ドル口座を保有したり、EAごとに口座を分けたりなど様々な理由があります。
そこで、MT4で複数の口座をまたいで取引する場合に便利なMT4マルチターミナルを紹介します。XMやFxProでは利用可能ですが、全てのブローカーで提供されているわけではありませんので、各自利用しているブローカーを確認してみてください。
マルチターミナルとは?
マルチターミナルは、MAMやPAMMのような他人の口座を運用することを前提とし、複数の口座の全ての残高を合算して1つの口座として運用するような感覚で注文を発注したりするため、必ずしも複数口座を利用している個人トレーダーのニーズに答えるわけではありません。
まずはデモ口座で試してみて自分に合う場合に利用してみましょう。
メリット
- 複数の口座の状況をまとめて見る事ができる
- 複数の口座へ注文を一括送信する
- サーバーを切り替える手間がなくなり、複数のMT4を起動する必要もなくなる
マルチターミナルでできないこと
- 日本語切り替え
- チャートの表示
- EAの利用
- 別のブローカーの口座同士の運用
- 別のサーバーの口座同士の運用
利用している口座のサーバーが別々の場合、おそらく、別のサーバーに口座を移すことができる業者はありません。その場合は新しく口座を追加し、同じサーバー上に口座を保有するしか方法はありません。
各業者のサポートにマルチターミナルを利用するために同じサーバー上に口座を持ちたいということを伝え相談することもおすすめします。
マルチターミナルの使い方 起動から口座へのログインまで
インストール後起動すると次の画像のようにログイン画面が出ます。
赤線部分にサーバー名が表示されているので、このサーバーとは別のサーバー上の口座を登録する場合は一旦このウィンドウを閉じ、オプションからサーバーを切り替える必要があります。
上のメニューのToolsからOptionを選択し、Serverの項目で接続したいサーバーを選択しOKをクリックします。
画像矢印箇所のNew Accountをクリックして口座追加ウィンドウを表示させます。先ほど変更したサーバーになっていることを確認し、口座のIDとパスワードを入力します。
口座を追加すると自動的にサーバーに接続しますので、複数の口座を追加する場合は同じ手順で追加していきます。
これで口座の登録は完了です。次回マルチターミナルを起動すると、通常のMT4と違って自動的にログインされません。起動後はメニューのConnect Allをクリックして口座に接続してください。また必要であればオプションからサーバーを切り替えてください。
口座一覧から任意の口座を選択し右クリックでConnect Accountを選択すれば、ログインしたい口座のみにログインすることも可能です。
通貨表示がドル表示になる
複数口座の合計残高額などがUSDで表示されるので、円口座をメインに使うのであればSummary currencyをJPYに変更する必要があります。右下のAccountsウィンドウで右クリックし、Summary CurrencyをJPYに変更。
新規注文の仕方
新規注文ウィンドウは通貨ペアをダブルクリックするかNewのタブをクリックします。普通のMT4と大きく違う点は、どの口座で発注するかを選択可能なことと、ロット数の設定が多少違う点です。
Lots Allocation(ロット配分)の項目説明
predefined volume・・・各口座のVolumeの項目(SELLボタン左)をダブルクリックして任意のロット数を入力。各口座細かくロット数を指定する場合に利用。
total volume for each order・・・Total Volumeの項目に入力したロット数で各口座で発注。すべての口座で同じロット数を利用するこ時に便利。
equal parts・・・Total Volumeのロット数=全口座のロット数の合計、となる。合計10ロットの発注で10口座に発注するとそれぞれ1ロットずつの発注になる。
on equity ratio・・・有効証拠金(残高+含み損益)の額に応じてそれぞれの口座のロット数が自動計算される。
on free margin ratio・・・こちらは有効証拠金ではなく余剰証拠金(残高-必要証拠金+含み損益)でロット数が自動計算される。
保有ポジションのみかた
Ordersのタブをクリックします。全ての口座の全てのポジションが表示され、残高なども合計され表示されます。
決済注文の仕方
Closeのタブをクリックします。各口座、各注文のチェックボックスにチェックを入れると上部のCloseボタンの決済の対象になり、口座ごとに個別に決済をする場合は右側のCloseをクリックします。
両建て解除注文の仕方
Close ByまたはMultiple Close Byのタブをクリックします。決済と同じように口座を選択したり両建て解除するポジションを選択しClose Byのボタンをクリックし決済します。
予約注文の仕方
Pendingのタブをクリックします。基本的に新規注文と発注方法は同じです。
予約注文の削除のしかた
Deleteのタブをクリックします。口座、または特定の注文を指定してDeleteボタンをクリックすると予約注文が削除されます。
保有ポジションの指値の変更の仕方
Modifyのタブをクリックします。こちらも基本的に新規注文と発注方法は同じです。一括で変更することを前提としているので、特定の口座の特定のポジションだけを変更する場合はチェックを外す手間があり少々面倒です。
履歴の見方
Historyのタブをクリックします。普通のMT4と同じく、右クリックをして期間を指定することも可能です。
要チェック機能
- 口座ごとの注文や詳細を見るには、右下のAccountsウィンドウで見たい口座をダブルクリックすると履歴ウィンドウが表示される。
- 各ウィンドウの項目は右クリックのColumnsにて増やしたり減らしたりすることができるので自分用にカスタマイズしましょう。
- オプションのTradeタブで、注文発注時のデフォルト設定を変更することができます。Last usedは前回利用したものを利用、Defaultはここで設定したものが毎回セットされるようになります。
マルチターミナルを利用できる業者
人気海外FX業者のXMやFxProでは利用可能で、その他にも多くの業者で提供されています。マルチターミナルを使ってみたい方はMT4ダウンロードページで探すか、利用業者に問い合わせてみましょう。
XMの利用者は多いと思うので、下記ページで復数口座について勉強しておくと損しませんよ。