コインチェックが提供する最大年率5%の仮想通貨貸し出しサービスを、他の取引所でできる貸出サービスと比較をして、メリットやデメリットを考えてみたいと思います。
比較対象は有名な海外取引所のPoloniexとBitfinexです。
サービス概要
海外取引所で行える貸出(レンディング)は、信用取引のユーザーに貸して金利をもらいますが、コインチェックの場合はコインチェックに貸して金利をもらいます。
取引所に貸す場合は基本的に固定金利ですが、信用取引のユーザーに貸す場合は自分で金利を設定できるので、金利は需要により変動します。
安定だけど低金利、不安定だけど高金利の可能性がある、という違いの認識でOKです。
コインチェックでもらえる金利
コインチェックは14日の貸出で年率1%、30日で2%、90日で3%、365日で5%というように4つの貸出期間を選ぶことができます。
例えば10万円を年率1%で14日貸出をした場合、金利は38.3円になります。1%の金利を14日で受け取れるわけではないので注意しましょう。
単純に一番金利をもらえるのは365日の5%です。
金利の比較
コインチェックの5%という金利は、銀行預金や一般的な投資のリターンとしては十分な利率です。
しかし、PoloniexやBitfinexで行える貸出と比較すると低いです。どちらの取引所でも、最低期間である2日間の貸出でも年率5%を超えるのは楽勝です。(2日間の貸出を1年間繰り返すという意味です)
上記2つの取引所では、金利は変動するので1日0.1%を超えることがザラにあります。単純計算で年率30%以上です。
金利だけを見るとコインチェックは劣りますがこれは仕方がありません。
なお、PoloniexとBitfinexの金利を知りたい人は、変動が激しいのでこちらのCrypto Lendという貸出Botのサイトで確認してください。
貸出対応の仮想通貨
これはどこも大差ありません。コインチェックは以前ビットコインだけでしたが、今は他のアルトコインにも対応しています。
PoloniexとBitfinexは固定金利ではないので需要が落ちると金利も落ちます。さらにビットコイン以外のマイナーなアルトコインは、元々需要が低いのでさらに金利が低くなります。
対してコインチェックはすべての仮想通貨で一律の金利なので、例えばリップルを貸出するなら金利面でもコインチェックのほうが有利になります。
貸出のリスク
基本的なリスクはどこの取引所でも一緒です。
取引所が破綻した場合に貸出していた通貨は保証されません。やはり一番怖いのは、取引所ハッキングによる仮想通貨の喪失でしょう。一夜にして破綻する危険性があるからです。
3つの取引所を比較した場合、私はコインチェックが一番安心できると思っています。何かあったとしてもお金さえ調達できればなんとかなりますからね。
5%という金利は比較すると低いですが、安心して1年間預けてられるのはコインチェックでしょう。
価格変動リスク
仮想通貨を購入するのに、普通は法定通貨を使いますよね。
例えば10万円分のビットコインを購入して、コインチェックに1年間貸出をしたとします。金利は5000円になりますが、仮にビットコインの価格が半額になっていたら5万円と5000円しか残らないことになります。これが価格変動リスクです。
単純に貸出の金利に釣られてはいけません。これだと「手を出してはいけない金融商品」である外貨預金と同じです。
では、どういった人が貸出をするべきなのかというと、仮想通貨を手放さないつもりの人です。
私は、10年以上ビットコインを保有するつもりで購入しています。多少の価格変動では売却しません。
要するに、長期投資で仮想通貨を保有している人が貸出に向いているということです。
実は、Poloniexと違ってBitfinexではUSDの貸出に対応しています。結局、日本人にとっては外貨になるので価格変動リスクはなくなりませんが、仮想通貨の変動より随分マシです。USDでも仮想通貨の貸出と同じくらいの金利はもらえるので、価格変動リスクを最小限にしたい人にオススメです。
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貸出中は絶対に返してもらえない
どの取引所でも、一度貸出が成立すると返してほしくても返してもらうことはできません。期間満了か相手が返すまで、売却することもできないということです。
なおさら長期投資の人しか向いていませんよね。
さらにコインチェックの場合は、最低14日間で最大365日という期間です。Poloniexは2日〜60日、Bitfinexは2日〜30日という貸出期間が用意されていて、コインチェックに比べると短期間です。
ということは、何かあった時に途中でやめやすいのはPoloniexとBitfinexです。
価格変動以外で困るのはハードフォークです。過去にイーサリアムがハードフォークした時に、貸出を行っていた人は本来もらえるはずだった分裂したコインをもらうことができなかったそうです。
60日くらいなら、すぐに貸出を停止すればハードフォークまでに回収できる可能性がありますが、コインチェックの1年という期間だと逃げられない可能性があります。(コインを全部失うという意味ではありません)
2日という短期間で貸す人はこういったリスクを嫌っているということです。
金利がもらえるタイミング
コインチェックの貸出は返却時にまとめて金利が支払われます。対してPoloniexとBitfinexでは、1日1回金利が支払われます。
ということはPoloniexとBitfinexでは、金利を毎日出金するチャンスがあり、出金しないのであれば複利で貸出することができます。この選択肢があるのは魅力的だと思います。
ちなみに10万円を年率5%で貸し出した場合、コインチェック(単利)だと5000円、PoloniexとBitfinexで複利運用した場合は5127円になります。
結局コインチェックはいいのか
いいと思います。仮想通貨の貸出はこれからも重要なサービスになると私は思っています。
デメリットはありますが、しっかりと知っていればメリットを見つけることはできるでしょう。
各取引所に分散して貸出するのもアリなので、コインチェックだけにこだわる必要もないでしょう。逆もしかりです。PoloniexとBitfinexは海外の取引所ですしね。
株と違って仮想通貨には金利が発生しません。しかし、取引所が仮想通貨投資家に金利を得る手段を提供してくれています。これは利用しないと損です。
仮想通貨の長期保有と貸出は、基本的にほったらかしにするので誰でもできる簡単なものです。短期トレードをする人も、余剰資金で長期投資をしてみましょう!
いつも楽しく拝見させて頂いております。
メガネくんのサイトを参考にBitfinexでUSD貸し出しをしております。
少額ではありますが、日々金利が入るのは嬉しいものです。
良い情報を頂き、ありがとうございます。
USDの貸出はビットコインと違って相場の変動をあまり気にしなくていいのがメリットですね。
あとはBitfinexが長生きすることを祈るだけですw