Bitfinexという仮想通貨取引所で、信用取引を行うトレーダーにビットコインなどを貸し出して金利を稼ぐレンディングサービスの詳細を解説します。
Bitfinexのデモ(見るだけ)はこちらからどうぞ。
レンディング用に入金する方法
3種類のウォレットがあり、Exchangeは取引、Marginは信用取引、Fundingはレンディング用と分かれています。
レンディングするにはレンディング用のウォレットに入金しないといけません。
あれ?貸出できない?と思ったらExchangeウォレットに資金が入ったままになってないか確認してください。
もし間違えて他のウォレットに入れても、内部振替すればいいだけなので問題ありません。
貸出の仕組み
Bitfinexによる貸出の仕組みは株の貸株と同じです。信用取引を行う人に貸してあげるのです。
例えば100万円のBTCを買うのにレバレッジ3倍なら約33万円の証拠金を出す必要があります。では残りの67万円は?これを貸してあげるのがレンディングです。
そして借りた人は金利(日歩)を払います。取引所が貸すのではなく、個人個人で貸し借りをするプラットフォームということです。
貸出の使い方
貸出はFundingのページで行います。トレードとは違うページです。
https://www.bitfinex.com/funding
まず、左側のボックスから貸したい通貨を選びます。
注意しておくのは、借りる場合も同じページで行います。間違えないようにしてください。
貸出はOfferで、借りる場合はBidです。今回は貸出の解説なのでOfferを選んでください。
オファーを出せば、あとはトレードと同じで約定するのを待つだけです。
こちらが実際の貸出板(USD)です。売買板の見方は普通のトレードと同じです。
FRRとFRR Deltaとは
FRRはフラッシュリターンレートの略で、簡単に言えば過去一定期間の貸出レートの平均です。
さらにFRR DeltaはFRRのレートに一定値増減させた値です。
この2枚の画像の例だと、FRRレートは0.08475、Deltaはその-0.001なので0.08375になります。
FRRは1時間ごとにレートが計算されているので、FRRレートが変化したら当然Deltaも同じく変化します。
ちなみに、FRRレートで貸し出した場合、貸出が成立した後でもFRRレートによって金利が変わります。約定した後にレートが変化するなんて、なんだかスゴイことですが。
Hidden機能
Hiddenオプションをつけると、自分の注文が板に表示されません。金額が大きい注文を出す時に使ってみるといいかもしれません。
ただし、手数料が15%から18%になりますし、板では見えないだけで約定記録は見えます。注意深く履歴を見ると見抜くのは難しくないということですね。
自動で貸出をする
Auto-Renewを設定すると、指定した期間、レート、金額で自動貸出してくれるので監視する必要がなくなります。ここでも先程解説したFRRを指定できます。この機能の影響でFRRに注文がかたまっているのです。
効率よく貸出する方法
正直、自動貸出やFRRを使わずにレンディングボットを使うと効率よく稼げて、手間もかかりません。
私が使っているのはCrypto Lendです。
ボットの良いところは、高金利になったら長期間、低金利になったら短期間or貸し出さないという設定が可能で、レートを判断して自動でやってくれるので貸出をしていない時間を手間なく減らすことができます。
Bitfinexの自動貸出はちょっと融通が利かないので効率を気にするなら絶対に使ったほうがいいです。どちらも無料のサービスではありませんが、監視の手間がなくなって完全放置できるのでコスパはいいですよ。
Crypto LendのBOTの使い方は下記ページを参考にしてください。
貸出の基礎知識
- 最低50USDから貸し出し可能
- 貸出期間は2日から30日間
- 期限前でも借りたユーザーが返せば終了
- 金利の支払いは1日1回。日本時間10時半頃に前日の金利が入金される
- Bitfinexに取られる手数料は15%
- 一度借りられたらこちらから返してもらうことができない(資金拘束)
どれくらい稼げるのか
あまりにも金利の変動が激しいので、実際のレートをCrypto Lendのサイトで確認してみてください。BitfinexとPoloniexの両方の金利を見れます。
仮想通貨がブームだったころは利率は20%前後でした。1日あたり0.055%くらいです。(ビットコインの場合)
レンディングのリスクは?
リスクは貸し倒れとBitfinexの破綻です。
貸し倒れは、借りたユーザーが取引による大損で借りた資産を消失させること、つまり追証状態ということです。
Bitfinexが提供する信用取引の最大レバレッジは3.3倍です。高すぎるレバレッジではありませんが、可能性はゼロではありません。一応、BitfinexもPoloniexもこれまでに目立った貸し倒れは発生していないようです。
ちなみに、借りたお金を出金できるなんてことはありませんので持ち逃げリスクとかはありません。
2019年6月7日追記
ついにPoloniexで貸し倒れ(デフォルト)が発生したようです。
On May 26, a sudden, severe price crash in the CLAM market caused a number of margin loans to default, resulting in a roughly 1800 BTC loss in the Poloniex BTC margin lending pool for non-US customers.
— Poloniex Exchange (@Poloniex) June 6, 2019
CLAMという通貨の大変動でレバレッジ取引をしていたユーザーが元本割れする損失を出したということです。
そうなると自分が貸し出していたビットコインが一緒に失われたわけですが、Poloniexはその損失をユーザーに転嫁するようですね。
レートが下がったらもう貸すのをやめるという選択肢
なのでこういったことを想定して、「見込み金利収入は十分に高いか?」を考える必要があるかと思います。
1日0.05%なら1年では18.25%です。ここからBOTの手数料や税金も考えてください。
実際、上記のPoloniexのデフォルト事件は数年前からずっと貸し出していたらそれほどの損失ではないはずです。それほど金利が高かった時期があるので。全財産吹っ飛んだ人は少ないと思います。
それに金利が0.02%くらいで沈んでいた時期はBitfinexから資金を引き下げていたらもっとリスクを抑えられたでしょう。
なので、個人的に0.05%を下回って停滞するようだったらやめたほうがいいです。
低利率で貸し出し続けるのはBitfinexがトラブった時、すなわちカウンターパーティーリスクが高すぎます。
BitfinexのいいところはUSDを貸し出せる点です。ドルと円の為替リスクがありますが、ビットコインよりマシですから。あと、安定して金利が高いです。
PoloniexのBTCレンディングはそれほどレートが高くないのが、私がBitfinexを使っている理由です。
ありがとうございます。
Withdrawalは許可していないので大丈夫ですが、念の為、APIキーとAPI秘密キーの
作り直し方を教えてください。
よろしくお願い致します。
https://fxsearch.jp/how-to-use-crypto-lend/
簡単ですがこちらで解説しているので確認してみてください。一旦古いAPIを削除して作り直すだけです。
あとは、そのAPIを使うアプリなどの説明で必要な許可を確認してください。
本当にいつもありがとうございます。
実はレンディングも課税されるらしいので、CryptoLendを解約しようと思っています。
そこで不安になるのが、BitfinexとリンクするためにCryptoLendに教えたAPIキーとAPI秘密キーなのですが、このキーは後々悪用されてBTCを下ろされてしまうとかいうことはないでしょうか?
Bitfinexで新しいAPIキーとAPI秘密キーを作成し直した方がよいのでしょうか?
教えてください。
API作成時に出金(Withdrawal)を許可していないならAPI経由でBTCを奪われることはないです。許可してるならガバガバなので今すぐ作り直しましょう。
あと、Crypto Lendを使い終わった後のAPIですが、セキュリティ的なこともあるので今後使い回さずに作り直したほうが無難です。出金できなくてもコントロールできてしまうのは確かですからね。
いつもありがとうございます。
現在、BitfinexとCryptoLendを連動させていますが、CryptoLendをやめる場合はどうしたらよいのでしょうか?
入金した手数料は返ってくるのでしょうか?
問い合わせてみたら、メールで連絡をすれば入金した分を返金してくれるそうです。
もしアカウントを削除して欲しい場合も同時にお願いすればOKでしょう。
ただ、全部手作業で返金するので2日は時間がほしいのと、時間の保証もできないとのことです。
あまり高額入金しないようしたほうがいいですね。
ありがとうございます。
ところでBitfinexの入金上限額と出金上限額を教えていただけると大変助かります。
ちなみに出金制限とかはあるのでしょうか?
入出金に制限額はありません。本人確認しなくても無制限なので、逆に恐怖という認識がありますw
ずばりお聞きしますが、bitfinexのFRRに比べて、Crypto lendのプレミアムは、利回り的に、有意に、よいでしょうか?
Crypto Lendを使えば(というかBOTであれば他のでもOKですが)利回りも良くなりますし、一番は完全に放置できるというのがメリットだと感じています。
つねにFRRで貸出続けるというのは実践していないので、確実な比較はできませんが…
FRRだと、金利が安い状態にいる場合、FRRに到達せずに貸出をしないダウンタイムが結構存在するはずです。
逆に金利が高い状態だと、例えば0.3%くらいまで急上昇しているのに0.05%で貸出したりします。で、ある程度落ち着くと、FRRに注文が集中するのでダウンタイムが発生します。
本当に平均レートなんです。
Crypto Lendはほぼダウンタイムが発生しません。
Crypto Lendは値上げしたので、出費を抑えるなら手動でやるのもありだと思います。それでもFRRは微妙かなぁと思います。
初めまして、JUNJUNと申します。
初めましてメール致します。
メガネくんのブログはいつも神読させてもらっています。
ところで質問なのですが、BitfinexからCrypto Lendへの送金なのですが、
Crypto Lendの設定でMin offer amountが0.1BTCの場合は
0.1BTC以下の送金なら出来るのでしょうか?
これ以上送金したい場合はどうすればよいのでしょうか?
教えていただけると大変助かります。
よろしくお願い致します。
ちょっと質問がわかりにくいので、間違ってたらもう1度質問していただけますか。
BitfinexからCrypto Lendに送金するということは、Crypto Lendの利用手数料を入金するということですよね?
でしたら特に制限額はありません。
Min offer amountは最低”貸出”金額の設定です。
ありがとうございます。
ところで
Min depth amountとKeep amountの意味がよくわかりません。
教えていただけると大変助かります。
Min depthは、設定した金額以上の貸出注文がないとその板を無視するというものです。
私はドルレンディングで1600USDをMin depthに設定していますが、仮に現在のレートが0.1%で誰かが0.01%で500USDの貸出注文を出すと設定の1600USD以下なので無視できます。無視しないと0.01%以下でBOTが貸出をしてしまって大損です。
一言で言うと、無駄に格安レートで貸し出さないための設定の1つです。
Keep Amountは設定した金額をキープして貸し出さないようにできます。例えば100ドルを出金したいなら100を入力しておけば、貸出をせずに保存できてBOTも止める必要がないということです。
この機能は最近追加されたようですね。私も知りませんでしたw
はじめまして。bitfinexにての取引にて参考にさせていただいております。
プレミアムへの維持費の支払いについて、Bitfinexから、指定のbitcoinアドレスに送付すればいいのでしょうか?多く振り込んだ場合にはどうなりますでしょうか?
あと、2週間が経過した場合には、たとえ、250USDの利益がでていなくても、noviceの地位を失いますでしょうか?
BitfinexというよりCrypto LendについてでOKですか?
こちらのページで簡単ですが解説してるのでご参考にどうぞ。
https://fxsearch.jp/how-to-use-crypto-lend/
あと、つい最近年会費から利益に対する3%の手数料制に移行したので、まだ把握していないのであれば必ず確認してください。
Crypto Lendのプレミアムの料金は指定のビットコインアドレスに送金するだけです。もちろんBitfinexから限定ではないので、どこからでもOKです。
あと新料金体制は、事前に一定額を預けておいてそこから料金が引かれるデポジット方式なので、逆に多く振り込む必要があります。
なお、新料金体制に移行する前に支払った分はアカウントに入金されているので、実質返金という形になっています。
NoviceからBasicへのダウングレードですが、15日を経過しても100ドル以下(250ドルから100ドルへ変更されてます)ならNoviceのままのはずです。
はじめまして、いつも楽しく拝読させていただいております。
bitfinexにドルでレンディングしたい場合は、日本の取引所でビットコインもしくはアルトコイン購入→bitfinexに送金してからコイン売却→ドル からのドルレンディングしかありませんか?ドルに換えるまでに手数料やレートで差損が起きそうな気がしますが、いかがでしょうか?どれだけ調べてもよくわからないので教えてくださると幸いです。よろしくお願いします。
はい、その方法しかありません。
現在私が運用している約5万ドルもビットコインに替えて送金しましたが、価格の下落のせいで1000ドルくらい目減りしました。
しかも取引所は承認が長めなので、30分くらい待たせられることはザラです。覚悟するしかないでしょう。
リップルとかなら早くて相場の変動は少なそうなので、ビットコイン以外を使うのもいいと思います。
ただし金額が大きくなると、アルトコインは板が薄いので売却する時にレートが悪くなって、結局あまり変わらないということになるかもしれません。
ご丁寧な回答ありがとうございました。
最後はまた日本円まで戻すことを考えると、ある程度長期でレンディングする方が良さそうですね。ビットコインとドルを同じ取引所で大丈夫か少し心配ですが、続けようと思います。ありがとうございます!
今現在、BitfinexにUSDは入金できませんが、HKD(香港ドル)なら入金できますか?
Bitfinexのサイトアナウンス見る限り、出来そうになさそうな・・・・・
今は全通貨できないはずです。
ちなみに香港ベースなだけで法人登記は香港じゃないので、銀行も香港とは限りません。現に、以前は台湾の銀行を使っていました。
解決しました
ウォレット画面から簡単に移せました。(#^^#)
よかったです。ちなみにこちらから内部振替ができます。
https://www.bitfinex.com/wallets
内部移替えによる貸出用ウォレットへの移し方がわかりません(*T^T)